たまにしか会えない友人とランチの約束をしました。先日テレビ番組で紹介されていたホテルオークラ東京本館のロビーをみてみたくて、待ち合わせ場所にしました。
いままで、古そうなホテル、というイメージしかなかったホテルオークラですが、内装のみごとなこと。麻の葉模様の木細工、雪見障子に梅の花をイメージしたローテーブルとソファ、RCのホテルにこれだけの和の感覚を取り込んでいるのに、しっくりと馴染んでいます。なんといっても、提灯のような、クリスタルのブレスレットのような、不思議な照明のデザインが空間を支配しています。椅子の座り心地も素晴らしいです。「空間を味わう」心地よさを久しぶりに堪能しました。今年で築50年とのこと、このまま継承していってほしいです。
待ち合わせついでに決めたホテル内のフレンチレストラン、La Belle Epoc。時季のホワイトアスパラガスのポタージュと鴨のコンフィをいただいたのですが、食事中、隣の席でなにやら楽しげなパフォーマンスが始まりました。サービスの方がワゴンでオレンジとレモンをキュッキュッ、アルコールをフランベしています。訊けばクレープ・シュゼットを作っているとのこと。小学生の頃からの愛読書、今田美奈子さんの「お菓子の手作り事典」に登場するお菓子、でも食べたことがなかったので、「ご用意しますか?」と聞かれて「お願いします!」と即答してしまいました。
オレンジの果汁とバターを混ぜたものを銅のフライパンで溶かし、オレンジとレモンの皮で風味付けした角砂糖を入れ、さらにフレッシュオレンジジュースを加えてソースを作ります。クレープを投入したらキルシュ、コアントロー、グランマニエを温めながら次々と投入、フランベしていきます。最後にらせん状にむいたオレンジの皮づたいにブランデーを垂らしながらフランベし、出来上がりです。
作る過程の作法を観るのが楽しく、どんな味に仕上がるのか、ワクワクさせてくれます。そのお味は、コクがあるのにオレンジの酸味が爽やか、複雑な美味しさでした。夜だとフランベの炎がもっと綺麗なんですよ、と作ってくださった方がおっしゃっていました。ちなみに、名前のシュゼットは女性の名で、その女性のために創作されたお菓子だという説が有力とのことでした。
素敵な空間に美味しい食事、そして何より大好きな友だちとのおしゃべりで元気がでました。東京ってすごいものがあるなぁと今さらながら思ってしまいました。
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